ゆめにっき考察:鬱ゲー「ゆめにっき」がハッピーエンドの可能性


夢分析について調べていると
「ゆめにっき」の世界がハッピーエンドである可能性が浮上してきました。
まず、ゆめにっきの考察をしているサイトでは多くの場合
夢の世界に出てくる登場人物(生物?)に関して、そのままの解釈をしています。
(鳥人間=いじめっこ、など)
でも、夢に出てくるそういったシンボルは
その人の心の中を表す上で、そのような直接的な表現をすることは少ないです。
そして特に多くの場合は、それらの否定的なシンボルが実際には肯定的な意味を表すことがあります。
ここからはネタバレなので追記にします。
これぐらいでいいかな??
もうちょっと改行しておこう。

ダイブ!
ゆめにっきでは最後に、主人公がベランダから飛び降りて自殺します。
これを通じて、「バッドエンド」とする人が多く
そこから、「主人公が自殺するに至った理由」を考察し
夢の中に出てきたシンボルをそれらの原因として紐解いていくことが多いのですが
主人公が自殺した、いわゆる「現実世界」にも不思議な点が見受けられます。
まず、ベランダに最初置かれていなかった踏み台が突如出現したこと。
誰がおいたんでしょう?
また、いつまでも夜が続いていることや
ベッドに入ってから寝るの早すぎるところなど。
そして、夢の内容が明らかに私たちの見ている「夢」とは大きく違っていること。
などがあげられます。

現実世界(仮)はなぜかいつも夜...
その点を考えた上で仮定すれば、主人公が自殺した「現実世界」も実は夢の中の話であるということです。
そもそも私たちがみる夢は、主人公が見ているような奇妙な夢ではありません。
(むしろ、「現実世界(仮)」のような夢をみますよね)
夢というのは、私たちの無意識の領域と意識の領域が曖昧になった場合に見られるもので
多くの場合、無意識が意識に語りかけるように、分かりやすいものとして現れます。
しかし、無意識の力が強いと、無意識が勝手にその現象を意識に「見せる」場合があって
その場合、ゆめにっきの世界のような、混沌とした抽象的な映像が見られます。

「意識・無意識・集合的無意識」の図に、夢の構造をあてはめてみましたの図
(起きている時は、一番上の"意識"の部分しかわからない)
つまりあの夢の世界は、夢よりも深い位置にある夢ととらえるとすれば
「夢の中で眠る」ことで見られる、深い精神世界の夢であることが考えられます。
そうであるとするなら、やはりゲーム開始時にいる世界(「現実世界(仮)」)が
「夢の世界の一層目」(私たちも普通に見ている夢の世界)であり
その中で眠ることで見られる、あの奇妙な夢が
「夢の世界の二層目」(深層心理、いつもよりも深い無意識にある夢)である可能性があります。
さらにいえば、二層目の夢の世界において各地で流れる
奇妙な音楽と映像だけの世界は
「夢の世界の三層目」(シュールで抽象的なシンボルの夢)である可能性も浮上します。
つまり、夢というのは、深ければ深いほど意味が分からないようなものになっていく、と考えられます。

夢の世界の三層目っぽい映像
ここで、夢の世界の二層目に出てくる様々なオブジェクトについて
その意味を考察できれば面白そうなのですが
夢分析に関してはまだあまり知識がないので
眠り男の夢占い事典
ここのサイトを参考に、一部だけ取り上げさせてもらいたいと思います。
いわずもがな、ゲーム中にたびたび出てくる「鳥人間」がそれにあたると思います。狂った人
夢主にとっては願いがかなう頼もしい存在です。
狂った度合がひどければひどいほどいい結果をもたらします。びっくりするような嬉しい出来事や結果を暗示して
います。反面、夢主の心身のバランスを崩してしまう危険もあります。

ゆめにっき中で唯一(?)の脅威、鳥人間
「セコムマサダ先生」がそうでしょう。宇宙人・エイリアン
未知の世界を求める気持ちや未知の存在への好奇心をあらわしています。10代、20代前半によく見る夢です。生命力や元気をあらわします。

宇宙船の中にぽつんとたたずむ、セコムマサダ先生
「モノ子」ですね(笑)異形の人物
五体が不自然に多くあったり、少なかったりする人物は状況によって幸運をあらわすことがあります。
足が余分にあったりするのは、思いがけない利益やチャンスを暗示します。反対に少ないのは、努力すればほしいものが得られることをあらわします。また、現在の努力が報われる暗示となります。
ただし、夢のなかで醜く感じれば、それは警告になります。

五体が不自然に多くある異形の人物、モノ子
このように、夢の中に出てくるキャラクターたちは良い暗示をしめすものが多いです。
そして、興味深いのは
主人公が獲得するエフェクトには、悪い暗示をしめすものが多いということです。

夢の各所でみつけられるエフェクト
ナイフ・包丁
男性をあらわすとともにトラブルの象徴です。刺されて血を流すのは問題解決につながることを暗示しますので、凄惨な状況であっても不吉なものではありません。
女性が見るのなら、恋愛に関係していることもあります。
警告的なニュアンスを持ち、現在の人間関係において、それ以上の深入りは危険です。テレパシックな場合は、手術や肉体的な損傷を暗示することもあり要注意です。
傘(かさ)
傘は夢主の身近な人間関係の状態をあらわします。一人で傘をさすのは、孤独や不安をあらわし、誰かと傘をさしてい るのは相手との関係の深さをあらわしています。
傘が開けないのは、もう少し時間が必要なこと、また心をオープンにできない夢主の気持ちをあらわしています。
雨が降っているのは、問題の解決に時間がかかること。雪の中なら問題の根が深いこと。土砂降りや夕立なら問題解決が近いことを示しています。
また、傘をさしているのに体の一部が濡れている場合は、その部分の持病や疾患を暗示することがあります。
カエル
カエルは変化の象徴です。心機一転。こういった時に見やすい夢です。
警告的な意味あいが強く、この夢を見たら、今の自分の目標をしっかり検討してみてください。方向転換したほうがいい場合があるかもしれません。また、ヒキガエルは皮膚病など、グロテスクなカエルを見る場合、疾患の兆候もあるので要注意です。
小人(こびと)
小人が現れるのは運気の停滞、特に財産や権力などの縮小を暗示することがあります。
信号機
信号機のイメージには、予知的なメッセージを含んでいることがあります。赤信号の場合、先々の危険やトラブルの可能性があり、思いきって方向転換をしたほうがいいことを伝えます。青信号なら問題なく、思ったとおりに物事を進めていいでしょう。黄色信号は少し配慮や思慮が必要なので、慎重な行動を。また、点滅する信号機は、努力や気配り、自身の心がけ次第で、善くも悪くもなるという意味です。
などなど。
私たちは悪い面(エフェクト)を否定するだけでは成長できず、それらを認め、取り入れることで成長していけます。
となれば、このゆめにっきの世界で自分の悪い面(エフェクト)をあつめていって
それらを自分の中に取り入れることは、主人公の成長を暗示している可能性が高くなります。
「自分には悪い面がたくさんある。嫌だ」といって投げすてたたくさんのエフェクトを、夢の世界でひろっていくのです。
そして、最終的にそれらを統合するために夢の入り口に集め、それらと向き合うことを決意します。
そうすることで、夢から覚めたとき、主人公は精神的に成長できるわけです。

夢の入り口に、集めたエフェクトを置いていく主人公
これを見る限りでは、最終的に主人公が自殺したことで自殺する
自殺する人(特定の人物)を見るのは予知夢の場合が多く、実際にその人物が自殺するのではなく、いい意味で大きな転身を遂げることを暗示していることがあります。
自殺をするのが見知らぬ人や顔のはっきりしない人の場合、現状で精神的に無理をしている状況を反映することがあります。
夢主が自殺するのは、予知的な夢ではなく、現在の状況に苦慮していることをあらわしています。ちょっとしたことで問題解決の糸口が見つかる可能性を示しているので、自殺した状況をよく思い出してみてください。
直接的に問題が解決するというわけでもなさそうです。
しかし、悪い暗示も取り入れ、それらと離別した主人公がこの夢から覚めたとき
どのような進展があるのかは想像するにたやすいですよね。
最後に現れたあの人が何を表すのかは分かりませんが
仮に死神だとすれば
このような意味を持ちます。死神
死神のような人物に出会うのは、意外に縁起の悪いイメージではありません。夢主自身の現状の再生や復活、劇的な変化を強く願っていること、その切実な気持ちなどをあらわすことがあります。死神に殺されるという状況なら、良い意味で思いがけない変化があるかもしれません。
また、最後の自殺後のシーンでは主人公の姿はなく
血痕のみが残っていました。
これも、この世界が現実世界ではないという証拠にもなります。
血
血の流れは物事の変化による利益や損失を暗示します。気力や体力の増減、金銭の出入り、利害など、あなたの社会生活の基礎として流入と 流出、増減を繰り返す物事を象徴します。
激しい流血は基本的に吉兆になる傾向がありますが、完全に血が抜けてしまった後の ようなイメージだと、大きな損失や不利益を暗示するので要注意です。
血が激しく流れるのは問題解決や厄介ごとの消滅、または開運を暗示。血を飲んでいるのは、思いがけない事態の好転や運気の上昇をあらわします。
刃物や凶器で殺され(あるいは殺し)血にまみれたり、血溜りを見たりするのは手術を暗示する実例が多いのですが、このような激しい状況の場合は成功や幸運を暗示していますので、不吉な印象の夢だからといってけっして慌てないでください。
むしろ、殺されなかったり、血が出なかったりする状況は、失敗や現状より悪くなることを暗示します。

ラストシーン
このあと、主人公は「夢」から目覚めるのではないでしょうか。
以上が私なりのゆめにっきの世界の考察になります。
実際に作者がこういう意図で作ったわけではないにしろ
こういったイメージは人間誰もが持っているものなので
作者自身がそのような願望を持っているという可能性もあります。
そういう意味も含めて、ゆめにっきの世界観はとても興味深いものが多いですね。

飛び降りるシーン、背景は「夜明け」
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私の願望ではハッピーエンドであってほしいと思っていたので、この解釈を見てなんだかとても救われた気分になりました!!
このゲーム、本当にいろんな考察ができておもしろいですよね!
いまだに寝る前にやったりしてます。
凄いですね、こうまで見事にハッピーエンドに解釈できるとは! なんか、救われた感じがします
もしこの考察が、真実なら、その後の窓付きがどうなるかかなり興味深いところですね。
ゆめにっきは色々考察できる分、素晴らしい作品ですね。
良いところの一つだよね
絶望して死んじゃっただって奥が深いし
この解釈もすごい奥が深いよねー
自分はやっぱゆめにっき大好きだ
私が今まで見てきた考察の中で一番信憑性があり、そして何より希望があるという所が本当に素晴らしい!!
エフェクトの解説の所や一番最後の 背景は「夜明け」
の所で思わず涙を流してしまいました・・・
希望のある納得も出来る素晴らしい考察、本当にありがとうございました!!
現在の研究では、集合的無意識もユング自身も疑似科学とみなされています。
http://www.genpaku.org/skepticj/jung.html
(原文:http://www.skepdic.com/collectiveun.html)
とはいえ、文学や芸術の世界では説得力があるかもしれません。また私個人からしてみれば、興味深い考察でした。この考察に出会えたことに感謝申し上げます。
とありますが、背景は二分の一の確率で変わるので
ずっとというのは無いかと。
自殺のシーンはあまりよく覚えていないので、はっきりと
断言できるわけではないですが、これも必ず、
というわけでは…
でも解釈自体は他に無い斬新さがあって素晴らしいと思いました。
他サイトの解釈とは全然違ったので読んでいてなるほどと思いました。
先程ゲームのラストを迎えたばかりです。
最後の自殺シーンの「夜明け」
感動しました。
夢について知識が浅いため少し疑問に思った点がいくつかったのですが、
赤の王様を具体例に挙げていましたが、やはりあの印象の悪さから「窓付きのヒドイ悪夢」であることは多くの人が考察していますよね。
それが強制起床につながっていると思うのですがヒドイ悪夢から全力で逃げたいと思ったときになぜ2層目の無意識の世界なのでしょうか。
普通脳が活性化し、心拍数、血圧が上昇して本当の現実世界に戻るのではないかと思ってしまいます。
自分に経験がないことなので夢について詳しく理解したいです。
ゆめにっきには、いろんな考察があり、独特の世界観がありますね。
僕は、実際にゆめにっきをプレイしてみて、本当に世界観がすごいと思
いました。奇妙なところもイイです。個人的にです。
作者さんのききやまさんはどんなことを思ってこのようなゲームを作
ったのか、気になるゲームです。
研究されてたところも、まだ僕には分かりませんが、そんなに調べられて、凄くゆめにっきが好きなんだなあと思いました。
改めて、素晴らしいです!!
窓付きの通るみちに
https://d.kuku.lu/d21278824d口はこの猫の口で
https://d.kuku.lu/7b96230f2d目はこの猫のパーツに
似たオブジェがある
Author:八木乙子
目標
海外へ行く!